男二人に追いかけられていた。
たぶん僕は、その男たちに対して、あるいは世の中的になにか、いけないこと、悪いこと、犯罪的なこと、したわけではないのだろう。
男の一人は僕のかつての職場の先輩で、もう一人は、僕の学生時代の先輩で、その二人の関係は、「友人」らしかった。
逃げなきゃいけない・・ひたすら走った。
もう、大丈夫だろう・・ここは住宅街だ。二人を撒けたはずだ。走りながら、(僕は逃げ切れている)と確信していた。
振り返ると、二人は僕を追っていた。追っている二人が見えて・・だめだ・・きっと捕まる・・そう思った。
捕まって、何かが僕に振りかかるのか・・それは分からないし、考えてもいなかった。ただ、捕まってはいけないと思っていた。しかし、捕まるだろう。僕の足では二人に捕まるのは時間の問題だろう・・
悲観のなかで走り続け、そして、目が覚めた。
そう、逃げている・・逃げ切れないものから、僕は逃げている。逃げなきゃいけないと思って逃げている。逃げる必要なんて、ないものなのかもしれないものから、逃げている。
そうやって、これまで生きてきたし、これからも、そうして生きていくのだろう。
何から逃げいている?
・・まあ、自分でしょ。
ここにあるものから逃げてるのだから、逃げる必要も、逃げ切れるわけも、ないよな、と思いながら、これからも、たぶん逃げる。
⇩ 新大久保の風