昨日の昼、電車に乗っていた。通路を挟んで向かい合う長椅子の座席はガラガラ。ガラガラの座席の端っこに座って、バッグから本を引っこ抜いて、その本を読んでいた。
通路を挟んだ僕の正面には、二人の高校生らしき男子が、体を寄せ合って楽しそうにヒソヒソと話をしていた。若い男子特有の、熱い気、っていうのでしょうか・・若さゆえに、有り余るほどに発散され続けるものって、あると思うのですけれど・・
その熱いものを混じり合わせている二人・・
おとなしそうな、真面目そうな、そんな二人だったけれど・・熱いなあ・・そう感じていた。いつ降ってきてもおかしくない曇り空のなか、乗り込んだ電車のその中の、仲のよさそうな二人の男子の背後の窓に、水滴が打ち付けられ始めた。
(降ってきたか)
電車は東武東上線に乗り入れている東京メトロ有楽町線の上り電車で、有楽町線と東上線が分岐する和光市駅で、僕は乗っている有楽町線から東上線に乗り換えようと思っていた。
本にしばらく没頭していたら、「次は和光市です」との車内アナウンスが流れ、本の紙面から目を外して通路を挟んだ正面の座席を見ると、あれ?
男子高校生二人が、一人の大人の男性に変わっていた。
合体しちゃったの?