昨日の夕方、炊飯器に三分づきの米をタイマーセットして、スーパーに買い物に行った。
今日は夕食、何を作ろうか・・考えていなかった。考えが浮かばないときは、カレーにしてしまう・・そんな自分がこれまで、幾度もあった。しかし気分はカレーではなかった。
家族分の夕食を作るのだが・・何を作ればいいのか、浮かばない・・自分は何を食べたいのか・・浮かばない・・別に、何かを食べたいわけでもない。
食べる・・その行為に、斜に構える自分がスーパーの、野菜が陳列されているスペースをウロウロしていた。斜に構えているからなのか、発想が皮肉になってくる。(農薬でも買っとくか)と頭に呟いて、キャベツとトマトをカゴに入れた。
昔、農家の手伝いで、畑に農薬を噴霧したことがあるけれど・・その時、本当はゴム長靴なりで、足を農薬から保護すべきなのだろうが、僕は地下足袋を履いていた。地下足袋にかかる農薬が足の指先に浸みた。その後、足の指先は痛くなった。やっぱ体に悪いんだな・・その時、思った。
体に悪い農薬をたくさん吸ったキャベツとトマトをカゴに入れて、野菜が陳列されているスペースを離れ、さあ、次は・・何も浮かばない。
やっぱり何も浮かばない。
何も浮かばない時は、カレー・・カレーはすでに却下されている・・ああ、ピカタ・・鶏肉のピカタにしよう・・そう思った。
子どもの弁当で、よく作る・・
鶏肉と、卵と・・粉チーズは家にあったな・・材料を思い浮かべながら、肉が陳列されているコーナーに向かった。
⇩ 赤羽 夏の予言者