息子がPCR検査、陽性だった。夜中に発熱して、朝、検査を受けに行った。朝も早くから、とある病院に隣接した空き地に設けられた、プレハブの検査施設は、平日の朝9時前なのに結構、人が並んでいた。
プレハブの中で問診の順番待ちの列・・息子はぐったりしながら、我慢して列の中、立っていた。具合の悪い人用に、パイプ椅子が「座ってね」な感じで置いてあって・・僕は・・「座っとけよ」と息子に言った。
その椅子は、僕たちが並んでいるよりも、先にあって・・だから、僕たちよりも前に並んでいる人の横を抜けて、椅子に辿りつき、着席しなくてはならない。
僕は、息子の肩を補佐する感じで、人の列の横を通って、その椅子に、息子を誘導した。
息子は、座ってさらに、ぐったりした。僕は列の元いたところに戻った。
列の先頭では、医師らしき人が問診をしている。
・・次の次だ・・という順番にまでたどり着いた・・
息子は椅子に座ってて、だから立って列に並んでいるのは僕だけで・・
で、僕のすぐ前の人・・女性だったけれど・・
その人、自分の順番が来た時・・
「お先に(どうぞ)」
僕を促した。
「あ・・大丈夫です・・う・・あ・・ありがとうございます」
椅子に座ってぐったりの息子の父親であると僕のことをその人は知って・・先を譲ってくださった。
なんか・・「大丈夫です」・・なんて思わず言っちゃいながら・・でも、その人の心遣いを、「お先に」と言われたその瞬間、頂く気満々だった・・マジ・・辛そうな息子・・一つの順番の繰り上げ、救いだった。
で・・問診のあと、かなり待たされ、検査・・で・・検査結果・・陽性・・で・・家族、ずっと、家の中・・淡々と、家の中だけの時を過ごしている。
寒いあの、プレハブの、火曜の朝の順番待ちのなかに咲いた「ありがとうございます」の心の花に、温まり続ける家の中生活の日々。今、金曜。
・・・⇩鶴瀬を歩いた、です。